風を見たくて

現在の仕事はそれなりに楽しいし、自分に向いていると思う。クライアントに評価される仕事をすればそれなりに達成感もあるし、衣食に足る収入もある。だが、そうなると今度は、自分の仕事が何か世の中の役に立っているのだろうか、もっと世の中の役に立っていることを実感できることをしたいという思いが、事あるごとに頭をもたげてくるようになってきた。

 

これまで、30近くの国を見てきて、それなりに何かを思うこともあった。NPOやNGO、JAICAというのもありかなと思った。ただ、NPOやNGOに関して言えば、かなり玉石混淆で、詐欺まがいのものから、いい取り組みをしているものの継続性の問題を抱えたものなど、問題ある組織も目につく。

 

そんな中で、著者のジョン・ウッドが創設したRoom to Readは、ビジネス手法を巧みに活用しており、透明性のある会計を前面に出して、児童教育援助というわかりやすいコンセプトと相まって成果を出している優秀なNPOだろう。

 

NPOはやりたいことがあっても財務面管理などが追いつかないところが多い。それらを支援するインキュベータなどもアメリカでは既にあるようだが、日本でも今後いろいろ出てくるのではないかと思う。

 

ともあれ、考えてばかりで何もしないというのが一番の問題。Bestではないにしろ、とにかくはじめてみねば。

要職やガールフレンドまで擲って、Room to Readに傾倒していく様子が、爽やかに描かれていて、一気に読み終えてしまった。