風を見たくて

日々雑感

ウロスの動く島 チチカカ湖、ペルー ―1枚の写真から0

Posted by TOMY in 1枚の写真から,旅行 (金曜日 8月 9, 2013 at 21:33:18)

マチュピチュやナスカの地上絵で知られるペルー。南東部に名前が印象深いチチカカ湖がある。チチカカ湖は、8500平方キロメートル以上あり高度3800m以上であることから、汽船が航行できる湖としては最高高度にある湖とされる。湖の4割程度は隣国のボリビア領である。

ウロス島に建つトトラ製のウル族の家、脇に生えているのもトトラ

ウロス島に建つトトラ製のウル族の家、脇に生えているのもトトラ

この写真は2007年にペルーを訪れたときのもの。チチカカ湖の近くにある都市、プーノの飛行場を降り立つと、いつもよりも息が上がりやすい。それもそのはず、いきなり4000m近い高度に降り立ったのだから。高山病に効果のあるという、コカインの原料ともなるコカの葉から作ったコカ茶を飲んで、あまり動かないようにする。

この湖にはウロス島という有名な島がある。なぜ有名かというと、

このウロス島という島が、巨大な人工島なのだ。先住民であるウル族は、葦のような植物でフトイの一種である「トトラ」で浮き島を作っている。彼らの生活はこのトトラに大いに依存していて、トトラの地面の上でトトラを育て、そのトトラを食べ、トトラで作った家に住んでいる。浮いているトトラが腐ってくるとさらにその上にトトラを重ねて新しい地面を作るという代謝を繰り返しており、島の地面は常に3mくらいの状態にあるという。

チチカカ湖には、こうした島が多数程あり、2700人程度のウル族が暮らしている。島には教会や学校もあり、浮き島なので島自体が風などで流されるが、トトラでできた船で島々を移動している。訪れたときには、トトラの地面にソーラーパネルが突き刺さり、テレビが鎮座するトトラ葺きの家もあった。

島の上は、ただでさえ遮るもののない高地にある上、湖面の照り返しも強いので、ウル族はよく日に焼けている。この太陽エネルギーを存分に受けて育ったトトラがいつもあり続けるから、湖面という地に人が住む事ができたのだろう。

世界の果てには、湖で生まれ、ほとんど本当の地面を踏まないまま死んでいく人々がおり、そんな人生がある。

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